びわ湖ホールのリング完結編「神々の黄昏」が終わりました。今回はコロナウイルスによる上演中止からの無観客上演・DVD収録からのさらに本番をYouTubeでライブ配信するという画期的な終わり方をしました。まずは本番に素敵な演奏を聴かせてくださった演奏家の皆様、そして舞台を作ってくださった皆様、そして約1週間くらいでこれらのことを成し遂げてくださったびわ湖ホールの皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。こんな形でお客様に会場で聴いていただけなかったのは本当に残念でしたが、演奏を本番の日までやれてアーティストとしては幸せな日々だったと思います。
今回僕はジークフリート 役のカヴァーとしてほぼ見ているだけでお仕事が終わってしまいましたが(それは良いことであります!)、昨年に引き続きジークフリート 役のクリスチャン・フランツさん、シュテファニー・ミュターさん、もうほぼ全キャストの素晴らしい歌・表現を間近で見ることができてとても勉強になりましたし、今回も改めて「ワーグナーって声を出すだけではない、テクストによる表現が大事である」と改めて思いました。今年はありがたい事に9月にワルキューレのジークムント役を全部ではないですが歌うのと、11月にこちらはベートーヴェンですが「フィデリオ」のフロレスタン役を歌うのでそういったレベルの歌が歌える準備をしなければと思っています。ジークフリート 役のカヴァーという事で特にフランツさんの曲もテキストも全部身体に入っている状態による言葉による表現に音がついている感じは昨年のジークフリート の時にも思いましたが今年もとても勉強になりました。そして姉弟子でワーグナーをこよなく愛されている池田香織さんのブリュンヒルデ!今回の神々〜は結構歌いっぱなしの大変な役なのですが全身全霊で歌ってらっしゃって素晴らしかったです!
さて昨日は「神々の黄昏」終演して次の日であるにも関わらず沼尻マエストロによる「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」ジャンニ・スキッキの音楽稽古でした。久しぶりに歌えたのも嬉しかったですし、マエストロから色々注文を受けましたが、そういうことを自分が処理できるようになってきて自分の成長を感じられたのも嬉しかったです。ジャンニ・スキッキを初めて歌ったのは多分26、27歳の頃。アリアの最後のジャーンニスキッキーのB♭の音が出すのが難しかったのが出せるようになったし、あれから15年も歌っているのでその間に色々経験できたのが良かったなぁと成長を噛み締めていました。とりあえずこちらでもキャラクターとテキスト、さらにフレージングなどを色々注文されたので頑張って次回までに仕上げておきたいです。やっと最近になって自分のやりたいようにうたを歌えるようになってきて嬉しいです。毎回確実な歌を歌えるように頑張りたいです!
最近はコロナウイルスの影響でいろんな催しが中止になっていて僕たちも歌う機会が減っています。4月には無事に今の状態から収まってたくさんのお客様にうたを聴いてもらいたいです。びわ湖ホールの「神々の黄昏」の最後で全てが炎に焼き尽くされていろんな災い、混沌から解放される様をみて、世間も早く収束しますようにと祈る公演でした。皆様もくれぐれもご自愛下さいませ。
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by zucci2
| 2020-03-10 10:58